ほぼすべてのパパ社員が育休を取得
もちろん、注力しているのは単に女性の管理職を増やすことだけではない。優秀な女性社員の定着と上を目指す人を増やしていくには、働く環境の整備は不可欠だ。同社は06年以降、仕事と子育ての両立支援策をはじめ、女性が働きやすい職場環境の充実を図ってきている。また、啓蒙活動として男性の育児休暇取得を促すために、14日間の給与全額を保障する短期育児休業制度も設けている。今では子供が生まれたほとんどの男性がこの制度を利用しているという。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは11年度に開業10周年を迎え、12年10月末に累計入場者数が1億人を超えた。女性とファミリー層をターゲットにした事業展開が奏功し、今では顧客の7割以上を女性が占める。11年度の入場者数は前年比約16%増となり、12年上半期(4~9月)も前年比約20%増と好調が続く。
女性管理職の増加による業績効果を測定するのは難しいが、女性の発想が活かされる場面も増えているという。
「たとえばキャラクターワンダーランドにキティちゃんのリボンのお店があります。当初、男性を中心としたチームで開発しようということになり、5色ぐらいの種類を置けばよいという発想でしたが、女性がプロジェクトに絡むようになり、さらに多くの種類の商品を並べたところ、想定以上に売れたのです。いろんなところで女性の発想が活かされるようになっています」(下村本部長)
女性の戦力化と活用がビジネスの現場で求められる今日、育成も大事であるが、必要とするベストな人材をベストなタイミングで確保しなければ競争に負けてしまうことになる。日本企業の最大の欠点はマネジャー人材を内部で育成することに執心し、外から確保しようという視点が欠如していることにある。内部で育成が進まないのであれば、ユー・エス・ジェイのように外から採用することを考えてもよい。ビジネスニーズに合ったベストな方法を選択することが人材戦略の重要な鍵を握っている。