もう1つ、彼女を惹きつけたのは、同社のホームページ上に挙げているガンペル社長の従業員へのメッセージだ。

「Everything is Possible. Swing the bat! Decide now. Do it now.」。チャレンジすることで可能性は広がる。全ては可能になる。失敗を恐れず、自ら決断し、行動しよう、という意味だ。この言葉が彼女の琴線に触れた。

「最初からダメかもと思ったら絶対にダメになる。絶対にできるという信念が大事だと私は常に思っています。面接のときも『絶対に受かる、私しかいない』という信念でぶつかりましたし、その点を強調しました」(高橋課長)

高橋課長を採用した理由について、下村本部長はこう説明する。

「一番は私たちのマーチャンダイズのビジネスに対して彼女が深い経験を持っていたこと。また、彼女自身が会社が求める“Swing the bat!”を体現してきた人だからです。海外も含めていろんなところに飛び込んで自らのキャリアを築いてきた。この2つの点から彼女にお越しいただこうと決めました」

高橋課長は11月15日に初出勤した。最初は管理職として中途で入ることに不安があったが、それは杞憂だったという。

「初出社の日に私のパソコンの横に『ようこそ』というチームメンバーからのメッセージカードが置いてあり、すごくうれしかったですね。あったかい会社だなと思いました」

同社は今回の公募採用を契機に、採用を含めた女性の登用を積極的に推進していく予定だ。その意味では新たに採用した管理職に対する期待も大きい。

「ほかの女性たちの1つのロールモデルになるのではないかと期待しています。新任の方々が日々接する業務で活躍する姿を見て、そういう働き方があるのか、自分もそうなりたいと思う人が増えてくればいい。また、こちらもしっかりした育成プログラムを用意することで、そうなりたいと希望する人がなれるような状態にしていきたいと考えています」(下村本部長)