「企業の贈答品を扱う小さな会社ですから、商品の企画から営業、銀行との資金面の交渉など経営全般を含めて何でもやりました。営業に出向いても、カネボウにいたときは名刺を出せば、カネボウさんですね、とすぐに理解してもらえましたが、今度は会社の説明から始めなければいけません。とくにOEMを手がける立場だったので、信頼が重要。どうすれば仕事を任せてもらえるのかを考えることは、非常に勉強になりました」(高橋課長)
最終的な肩書は専務だった。輸入先としては中国との取引も多く、山奥の工場に単身で乗り込んだこともある。
「お客様からこういうものが欲しいと言われ、仕入れ先がない場合は、直接中国に行って探します。2人だと費用もかかるので1人で行く。到着した夜に目ぼしい会社を調べて電話をします。明日の朝うかがいますと言うと、中国語は話せますかと聞かれ、少しならと返事をする。こっちが誰か英語を話せますかと聞くとちょっと話せますと言う。翌朝、車で3時間かけて出向き、少しの中国語と英語を交えて商談をしたこともあります」(高橋課長)
持ち味のマーケティング力に加えて、輸入商社での経験を通じてコミュニケーション力と調整力を培ったと語る。そして面接でもその点を強くアピールした。応募の動機はテーマパークで扱うお菓子や衣類、グッズなど幅広い商品の開発に魅力を感じたこと。
「テーマパークを訪れたお客様が思い出の一部として購入されるものです。私は人に喜んでもらえることが大好きですし、自分のキャリアを活かせると考えました」