よくわからないけど面白い

「皆さんおはようございます。ソフトバンクの孫でございます。公の場でスピーチするのは久しぶりでございます。今日はちょっとだけ面白い話をしますので、楽しみに聞いてください。かなり私の個人的な思い込みもありますけども、しかし、それなりのメッセージを今日は持ってまいりました。では、早速始めましょう」

このどの部分が「予言」にあたるのでしょうか?

それは、「今日はちょっとだけ面白い話をします」という部分です。今回の話の内容はAGI、Artificial General Intelligence(人工汎用知能)についてでした。

矢野香『世界のトップリーダーが話す1分前までに行っていること』(PHP研究所)

聞き手によっては「難しいなぁ」「よくわからないなぁ」と抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし「面白い話」と最初に予言することによって、この抵抗を和らげる効果があるのです。聞き手は「よくわからないし難しいけど、面白い話を聞いている」と思いながら話を聞くのです。

さらに、「かなり私の個人的な思い込みもありますけども、しかし、それなりのメッセージを今日は持ってまいりました。」という部分も予言に対する反論を先に防いでいる点で秀逸です。

話し手の持っていきたい方向に聞き手を誘導する見事な心理テクニックと言えるでしょう。

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