フリードとシエンタの違い

ただし、新型フリードでは、いざ発売されて乗ってみると予想外の点がいくつかありました。

まずはサイズです。競合の新型シエンタ(2022年~)は全グレード、キッチリ全長4.26メートルと全幅1.7メートル以下を死守。

一方、新型フリードは、全長が4.3メートルを超えてシエンタを約5センチ上回りました。そして、歴代フリードにはなかった、横幅1.7メートル超えの3ナンバーサイズの「フリードクロスター」が発売されました。

そしてフォルムは先代と比べると、よりミニバンっぽい箱型になりました。確かに運転し易いのですが、フリードとシエンタのキャラクターは微妙に分離し始めているのです。

筆者撮影
こちらはフリード クロスター。アンダーガード・大型グリル等の専用フロントマスクを採用するなどミニバンとSUVが組み合わされたエクステリアになっている。

「兄貴分」からの乗り換え

シエンタはあくまでも軽自動車やコンパクトカーの感覚で乗れるコンパクトミニバン。それらから乗り換えても違和感はありません。なので、お孫さんを載せるためにミニバンを選ぶシニア層や、運転が苦手な女性にウケています。

かたや微妙に迫力が増したフリードは、昨今の価格高騰をうけ、ノアヴォクやステップワゴンなどサイズの大きい「兄貴分」を少し食い始めています。

新型フリードは1.5リッターガソリン車の車両価格は250万円を超えますし、ハイブリッド車になると280万円を超えます。

ただし兄貴分のステップワゴンも度重なる値上げでガソリン車でも今や316万円スタート。こうなると同じ6人~7人乗りなら、より安くて扱い易いフリードでもいいか……というお客が出てきます。

オマケにフリードはこのモデルチェンジで内装から走りの品質を結構上げてきました。シートやインパネトリムの質感は、例えるならシエンタがニトリのイスだとしたら、フリードは無印良品のソファ。

わからない人はわからないでしょうが、ステップワゴンから乗り換えても質的な不満はあまりありません。ナビもオプション価格は嵩みますが、ステップワゴンと同サイズの大型11.4インチのホンダコネクトナビが付けられます。