「相手の期限を決めるのは失礼」は誤解

多くの人がしている誤解

「相手の期限を、こちらが決めるのは失礼だ」と考える人がいますが、それは誤解です。

「○○までに対応してください」といった締め切りを明記することで、滞りなく仕事を進めることができます。

しかし中には、期限を切って相手から反発されたことがある人や、逆に、期限を切られて気分を害したことがある人もいるようです。

期限を上手に決めるには、ちょっとしたコツがいるのです。

ずるい人は、期限を切ることに明確な基準を持っています。そして「どうして、その日なんですか」と理由を問われても、相手が納得できる説明を用意しています。

期限を切るべき、正しい基準

①その仕事に対して、妥当な日数を確保できているか

15~30分程度でできる作業を依頼するときは、3~5日後くらいに締め切りの日を設定するのが適切でしょう。

相手は「配慮してもらっている」と感じてくれるはずです。

②急な依頼ではなかったか

自分の依頼が遅くなったことを棚に上げて「今日中に対応をお願いします」と伝えるのは失礼です。

相手の都合に一切配慮できていません。

③締め切りの理由が明確か

営業のアポイントメントを求めるメールで「会っていただけるかどうか、○月×日までにお返事ください」のように、期限を切られたら、これも失礼だと感じるでしょう。

しかしそこに理由があれば、検討の余地はあるかもしれません。

東京から福岡への出張が決まり、福岡のお客さまに「出張で福岡に行くので、挨拶に伺えればと思っています。こちらの都合で恐縮ですが、面談が可能でしたら6月17日までにご返信ください」と書くならば、受け入れてもらえるのではないでしょうか。

「正確な仕事をする人」という印象を与えるテクニック

ほぼ100%のビジネスパーソンが毎日メールを見ている

期限をむやみやたらに切る必要はありません。

平野友朗『ずるいメール術』(PHP研究所)

例えば「YES」「NO」で答える、候補日の中から希望を選んで返事をする、5分程度で終わる作業を依頼する、といったメールは、読んだら間を空けずに対応してもらえるでしょう。

そのため、締め切りを設ける必要はありません。

また、私たち一般社団法人日本ビジネスメール協会が、1,498人のビジネスパーソンを対象に行った「ビジネスメール実態調査2024」の結果によると、98.87%の人が、1日に1回はメールを確認していることが分かりました。

つまり、ほぼ100%の人が毎日メールを見ていることになります。

そのため、翌日までに返事がもらえればいいメールならば、締め切りを書く必要はありません。

「スケジュールに細かい人」という印象が武器になる

期日を過ぎても反応がない場合は、すぐに確認メールを送りましょう。

そうするだけで「スケジュールに細かい人」「正確な仕事をする人」という印象を、相手に与えることができます。

「ずるい」テクニック
「この人と約束した締め切りは守らなくてはいけない」という印象を相手に与えることは、仕事の武器になる!
POINT
1.相手に配慮した期限を設定する
2.期限を切った背景や理由を説明する
3.期限を過ぎたら速やかに催促をする
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