冷たいタオルを当てるだけでも倦怠感は解消出来る

コップ1杯の水や白湯さゆを飲むのも有効です。睡眠中に、1リットルも失われる水分を補うだけでなく、水や白湯を飲むことで胃腸のぜん動運動を促す「胃結腸いけっちょう反射」が起こります。胃や腸を無理やり起こして、体のなかから目覚めさせていくようなものです。

また、起きてすぐに冷たいタオルを首や足にあてるだけでも、倦怠感を解消することが期待できます。

手足は毛細血管が密集しています。また首には、太い血管が走っています。ここをタオルで冷やすことで、脳が「体が冷えた」と誤反応を起こし、血圧を上げて全身に血液を届けようとします。

その結果、交感神経が優位に働き出し、血圧や体温も上昇していくのです。冷たい刺激で脳をごまかすことで体を目覚めさせるのです。

大事な会議の前なのに、急に眠気が襲ってきた……。そんなときにも手足や首に冷たいタオルをあてるのは有効な手段です。

運動が睡眠に良い影響を与える理由

「昨日は、よく運動したから、ぐっすり眠れた」

誰でも、こんなことを感じたことがあるでしょう。長時間体を動かして疲労したことが、睡眠に良い影響を与えていると考えている人もいますが、それだけではありません。

実は、運動することで、体が疲弊する以上に脳が疲労し、深い睡眠をもたらしています。

そもそも私たち「動物」は、体を動かすために脳を発達させてきました。動物のなかでも人間は、多くの機能を使って体を動かすため、脳を飛躍的に大きくさせてきました。脳の半分以上が、体を動かすためにあるといっても過言ではありません。

加えて、運動することにより脳はじっとしていただけでは行なわない、さまざまな情報処理をします。

ウォーキングを例に、脳の働きを見ていきましょう。

歩いていると周囲の環境が変わっていきます。違う景色が現れたり、騒がしい場面に出くわしたり、ときに花の香りが漂ってきたりすることもあるでしょう。視覚や聴覚、嗅覚の情報は、そのときどきで脳の後頭葉や側頭葉で処理されていきます。