パートナーに任せることで新たな親子の絆が生まれる

また、その間、パートナーが完全に自分たちだけで生活することも、とても大切なことです。

子どもはいつも一緒にいるはずの親の姿が見えなくて泣きわめくかもしれません。いつもと違う味のごはんにとまどい、食欲が落ちるかもしれません。気温の変化に対応して何を着せたらいいかもパートナーは判断できないかもしれません。

しかし、「どんなにお手上げ状態でも自分が対応するしかない」という育児環境の中で、本当の意味での親子関係はつくられていくものです。

あなたがリフレッシュして帰ってきたとき、片付けもままならなくてぐちゃぐちゃに散らかっている家の様子に、ため息が出るかもしれません。でも、困難を一緒に乗り越えたパートナーと子ども(たち)の間には、家を空ける前までになかった結びつきが感じられるのも確かなことです。「よく頑張ってたね!」と明るく認め、片付けをしましょう(笑)。

親と離れる時間が子どもの想像力を育む

また、普段から親が子育てとは別の世界を持っていると、子ども自身の脳が豊かに育ちます。

成田奈緒子、上岡勇二『パパもママも知っておきたい 子どもが幸せになる「8つの極意」』(産業編集センター)

ぜひ、本を読んだり、映画を観たり、出産前からの趣味を楽しんだりと、子どもと離れる時間をつくりましょう。違う世界を見ることで、子どもに必死になりすぎることを防げますし、子どもに語れる話の幅が広がります。

「でも、子どもを預けられる人がいない」と思った人もいるかもしれません。「夫は子どもの面倒をみるのが下手だし、部屋も散らかすから嫌だ」と話す人もいます。しかし、そこは「死ななきゃいい」の精神が大事です。

子育ては長期戦ですから、無理をしていては心と体がもちません。思い切ってパートナーに任せることを何度か経験すると、「一人の自由を味わう喜び」を思い出すことができるはずです。そうなれば、多少家が散らかっても、パートナーのお世話の仕方が雑でも、目をつぶることができるようになるでしょう。

また、どうしてもパートナーに頼むのが難しい場合は、祖父母、保育園、一時預かり、子育てサポート、ベビーシッターなどを利用することも検討してみましょう。保育園なども、現在は親のリフレッシュのために一時預かりを利用できるところが増えてきていますので、積極的に活用しましょう。

とにかく、どのような手段を使ってでも、親が子どもと離れてリフレッシュする時間は必要です。それが結局、子どものためになるからです。

親が子どもから離れれば、子どもは自由に好きなことをしたり考えたりして、脳が刺激されます。脳が活性化することで想像力が豊かに育ちます。

逆説的ですが、親が子どもから離れることで、子ども自身の育ちを促せるのです。

ですから、親がリフレッシュすることは決して悪いことでも、罪悪感を抱くべきことでもありません。子どもを幸せにする子育てがしたいのなら、ぜひ、お子さんと離れる時間を日常的につくってみてください。

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