自分を犠牲にして子どもに尽くしていると視野が狭くなる

子どもが生まれて以来、子育てに必死でほとんど休めていないよ、という人がいたら、今すぐパートナーにお子さんを任せて、1週間くらいの旅行にでも出かけてきてください。

「そんなこと、絶対に無理」と思ったでしょうか? それとも、「えっ、いいのじゃあ、行ってくる」と思ったでしょうか?

アクシスでもよく同じ話をするのですが、ほぼ全員が前者の反応をします。

なぜ一人で出かけられないのかを聞くと、「罪悪感に耐えられない」「子どもがかわいそう」「パートナーに任せられない」などと答えが返ってきます。どうやら、子どもを置いて出かけるのは悪いことだと思っているようです。でも、そうなると、親自身のリフレッシュや休息は、いったいどうなってしまうのでしょうか……?

自分を犠牲にするような子どもへの尽くし方をしていると、「自分」がどんどんなくなっていきます。頭の中は子どものことで占拠され、子どものために「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と、見える世界がどんどん狭くなっていきます。

そうなると、わが子の成長や成績が気になってきて、他の子と比べたくなってきます。そして、他の子よりちょっといい学校に行かせたくなったり、習い事でちょっといい結果を出させたくなったりと、子どもにいろいろとさせたくなってしまうのです。

それが、早期教育や習い事の掛け持ちなどの過熱につながることもあると、私たちは考えています。子どもの脳の発達を考えると、そのようなことは望ましくありません。

「なんだ、平気じゃん」とやがて気づく

だからこそ、子育てに必死になっている人ほど子どもと離れて、一人で出かけてみてほしいのです。

最初は心配で、居ても立っても居られない気持ちかもしれません。しかし、何日か経つと、気持ちが落ち着いてきて冷静になれます。「なんだ、けっこう、平気じゃん」と気づけるはずです。

子どもと離れて過ごす時間は、自分が一番快適に過ごせることをやってみましょう。ちょっとぜいたくなホテルに1泊だけ泊まってもいいし、映画や演劇を観るのもいいでしょう。時間や予算は人それぞれなので、できる範囲で構いません。

完全に自分のためだけの時間を持つことは、家に帰ってからの育児の質を高めます。

ビーチに立っている女性
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