子供をのびのび育てるにはどうすればいいか。文教大学教育学部の成田奈緒子教授と公認心理師の上岡勇二さんの共著『パパもママも知っておきたい 子どもが幸せになる「8つの極意」』(産業編集センター)から、親が子供に尽くしすぎてはいけない理由を紹介する――。
休む習慣が身についていない子どもは無理をしてしまう
疲れたときに休む習慣が身についていない子は無理をします。限界まで無理をした結果、学校に行けなくなってしまう子がたくさんいます。
「疲れたな」「学校を休みたいな」と思ったときは、堂々と休むべきなのです。休めば心と体は回復します。2〜3日学校を休んで、また行けるようになれば何も問題はありません。しかし、その選択肢をとらなかったがために、ストレスと疲れをため込んで、最終的にまったく学校に行けなくなることもあります。
本格的に不登校になったときには、すでに心と体のダメージがかなり蓄積している状態なので、回復にはたくさんの時間が必要です。そのようなことになる前に、疲れたときは休んだほうがいいのです。
なかには、自分の心と体のサインに気づけず、「無理をしている」「疲れている」という自覚がない子もいます。そのような子が、「急に」今までとまったく「別人のような言動をするようになった」「ある日突然布団から出られなくなった」と、親子で相談に来られることもありますが、それは実は「急」ではないことが多いのです。