「3回当選で大臣も可能」と自民党内部で改革したが…

そんな小泉は党改革にも取り組んでいます。若い時に、小沢一郎が小選挙区制を導入しようとしたのに楯突き、「真の改革は党改革だ」と言っていただけのことはあります。

そもそも、総裁選で国民世論の支持を得て最大派閥の候補者を破ること自体が「政権交代と同じ」と言っていましたし、それ自体が政治改革です。

小泉は竹下的サラリーマンシステムを壊そうと、3回当選すれば実力主義で大臣就任も可能としました。それで大臣になった人が棚橋泰文と茂木敏充というのも、どう評価していいのかわかりませんが。

「当選回数主義」がまかり通るのは政権交代をしないから

一方、野党のほうが進歩的かというとそうでもなく、民主党系はいまだに年功序列が厳しい。唯一、謎の例外が蓮舫です。民主党、それを引き継ぐ立憲民主党の人事は同じ人がグルグル回るだけなので「メリーゴーランド人事」と呼ばれます。同じ人が同じように不祥事を起こしていて、この人たち、大丈夫なのでしょうか。当選回数・年功序列主義の打破という意味では、小泉後の自民党のほうがはるかにマシという状況です。

当選回数主義が生まれてくるのは政権交代をしないからです。

日本の自民党は絶対野党にならないから、当選回数主義などというふざけたことができるわけです。そして、野党は絶対に与党にならないから、同様にふざけたことができる。実力のある政治家を前面に出して競おうという気概が双方にない。

イギリスは当選回数至上主義がなく、向いてない人は政治家を辞めて他の職業に就きます。日本の場合は議員が家業として成立してしまっています。もっとも、国によっては、当選回数・年齢に加え、人種や階級など様々な要素で年功序列より歪な出世システムになっていて大変とか。