「新鮮さ」にこだわる

高齢者とされる年齢、つまり65歳以上になったら、冷蔵庫に長く置かれた食材だとか、消費期限や賞味期限の切れたものは食べないようにすべきです。

消費期限内であっても、長期間保存できる食品の摂取は、控えたほうがいいでしょう。たとえば缶詰なども、「サバ缶」のように、いくら健康にいいとされるものであっても、年をとったら、できるだけ避けたほうがいいと私は考えます。

私たちは本来、とれたての新鮮で自然な食材を食べるようにプログラムされている生き物です。

加工された食品が有毒というわけではありませんが、とったばかりの野菜や果物、魚市場から仕入れたばかりの魚のほうが、栄養素を効率よく、より早く吸収するのに適しています。

若いころであれば、体に十分な抵抗力がありますから、多少期限切れであったり、添加物などの健康に悪影響を及ぼす成分が使われていたりしても、体が排出できるでしょう。

ただ、年をとるにつれて、そうした毒素を取り除く能力は衰えていき、悪い成分に負けてしまいがちです。

ですから、どの食品もできるだけ新鮮で低農薬、そして加熱調理などの加工もされていない食品を選ぶようにしてください。

私自身も食事の際は、かなり大量のサラダを食べるようにしています。

そのほかには牧草で育てられた牛、豚の肉、天然の魚、新鮮な野菜、生のナッツ、添加物を加えていないナッツバター、豆類、果物などが私のお気に入りメニューです。サラダではいも類やかぼちゃなどの炭水化物を多く含む食材は控えています。

食べる量がさほど多くなくなった分、食材の質にこだわったほうがいいのです。そのほうが、味もずっと美味しく満足度も高まりますよ。

「砂糖は健康に無害」という主張の落とし穴

私は長い間、砂糖の擁護者でした。砂糖はブドウ糖と果糖からなり、食べれば結局はブドウ糖になります。適正な量をとっているかぎりは、太るはずがないし、糖尿病になるはずもない。だから、「健康にも害はないはずだ!」という主張だったのです。この理屈は、決して間違っていません。

しかし統計上で見れば、明らかに問題は生じています。多くの国や地域の人たちの健康状態や寿命を調べた結果、砂糖の摂取量の多い国や地域の人たちには肥満が多く、糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病の罹患率も高くなっているのです。

砂糖には人を太らせる物質も、人を糖尿病にする物質も含まれていないのに、どうしてそんなことが起こるのか?

理由は簡単で、砂糖は必ず「とりすぎる」という事実があるからです。

高田明和『20歳若返る習慣』(三笠書房)

つまり、食べれば食べるほど、「もっと食べたい」という欲求が起こり、多くの人がそれに負けてしまうのです。お菓子やケーキなどの甘い誘惑を考えれば、それもうなずけるでしょう。

人間は、何かを食べていないと、「面白くない」と感じてしまいがちです。そのようなときの甘いものは、絶好の誘惑対象になります。

かといって完全に甘いものを禁止すれば、それこそ人生がつまらなくなってしまうでしょう。だから適度に自分にご褒美をあげるのは賛成です。

そして、白砂糖を避けるなら、黒糖や三温糖、きび糖、てんさい糖など、未精製の砂糖を選びましょう。ミネラルなどを豊富に補給できます。

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