「2位以内」に入れば決選投票まで5分

これまで述べてきたように、総裁選挙は、石破氏と小泉氏を軸に、高市氏と小林氏を含めた4人の中から決まる公算が大きい。そのカギを握るのは、1回目の投票で3位以下になった候補者の陣営や影響力がある重鎮たちが決選投票で誰を支持するかである。

過去の決選投票では、1回目の投票が終わり、その結果が発表されてから5分で決選投票がスタートしている。わずか5分では、談合する余裕はない。そのため、各陣営は「3位以下」になった場合にも備えておく必要がある。永田町で聞いた声をもとにまとめておく。 

○ 石破氏と小泉氏が1位、2位になった場合

どちらも菅義偉元首相(75)と近いため、キングメーカーの1人、麻生太郎副総裁(83)には打つ手がない状態。麻生派全体でとはいかないまでも消去法で小泉氏に乗る。岸田文雄首相(67)や二階俊博元幹事長(85)が石破氏を支持すれば接戦に。

○ 小泉氏と高市氏(もしくは小林氏)が1位、2位になった場合

旧安倍派の中で選挙に弱い安倍チルドレンは小泉氏、保守系議員は高市氏で分裂。麻生氏や岸田氏は高市氏か。トータルで小泉氏勝利の可能性。小林氏が2位なら、菅氏支配を嫌う麻生氏などは小林氏を支持すると見られるが、小泉氏優位は動かず。

○ 石破氏と高市氏(もしくは小林氏)が1位、2位になった場合

麻生氏は「首相時代、退陣を迫った石破氏だけはNG」で高市氏を支持。菅氏と二階氏は石破氏を支持するが、旧安倍派などの保守系議員は高市氏に投票するため女性初の宰相の目も出てくる。小林氏が2位でも小林氏に逆転勝利の可能性も。

キングメーカーたちですら未知の選挙

高市氏と小林氏が1位、2位になるケースは想定しにくいので、3パターンに分けたが、これまで影響力を維持してきた麻生氏は、自派閥の河野氏を推しながらも、どこかで高市氏か小林氏に切り替える判断を迫られる可能性もある。

旧茂木派と旧二階派はまとまりを欠いているので、焦点は麻生氏と麻生派、岸田氏と旧岸田派の動きになる。

筆者が取材する限りでは、現時点で小泉氏が優勢だ。とはいえ、9人が乱立する総裁選挙は過去に例がなく、筆者はもとよりキングメーカーと呼ばれる重鎮たちですら経験がない。自民党最大の権力闘争は、候補者9人の政策や話し方に加え、情報戦が勝敗を分けそうだ。

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