自分のタイミングで依頼したい場合は…
契約3点セット② 財産管理委任契約
自分の望むタイミングで財産の管理を委任できる
任意後見契約の効力が発生するのは「判断能力が低下したとき」に限定されており、身体的な事由は認められていません。しかし、足腰に不安がある場合や、長期入院が必要になれば、預貯金の管理や生活に必要な手続きをすることは難しくなります。
そこで、自分が必要だと思ったタイミングで自由に財産管理をお願いできるのが「財産管理委任契約(任意代理契約とも呼ばれます)」です。
この契約は、預貯金の管理や公共料金・税金の支払いなど財産の管理を第三者に委任できるものです。また、病院や福祉サービスなどの利用手続きの代行や、日常生活におけるサポートも依頼でき、親族や友人に頼むこともできます。
第三者によるチェック体制を整えておく
判断能力がある状態でも任意後見契約と同様のことを頼めるのが大きなメリットですが、不正が行われているかどうかをチェックする機関がないというデメリットがあります。そのため、契約を結ぶ際には、頼む人と頼まれる人以外の第三者がチェックできるような体制を整えておく必要があるでしょう。
最近では、自分で判断できるうちは財産管理委任契約を利用し、判断能力の低下が見られてからは任意後見契約に移行するというサポートの形が多くなっています。自分の心身の状態に合わせて必要な契約を検討しましょう。
カンタン手続きガイド
いつ? 誰が?
・判断能力があるうちに誰でも契約できる
いくら?
【親族や友人に頼む場合】相談して自由に決められる
【専門家に頼む場合】1万~5万円/月
どうやって?
①誰に頼むかを決めて、委任する内容を相談
②頼む人と頼まれる人の合意の下で自由に契約できるが、近隣の公証役場で公正証書にすることが多い