高齢者の単身世帯は月3万円以上の赤字

危険② 貧困

総務省の調査では、65歳以上の単身世帯でかかる1カの生活費は平均14万5430円ですが、収入は平均11万4663円です。つまり、毎月3万円以上も不足しているのです。

生活が苦しくなれば、外出を控えるようになります。そうすると人と接触する機会も減り、孤立化につながる悪循環を引き起こします。

生活費の不足分を補充するためには、健康を維持して、シルバー人材センターやハローワークに登録して、働き続けましょう。仕事をすれば社会との接点も生まれ、孤立化の解消もできるので一石二鳥です。働くことができない状況で生活に困窮したときには、迷わず生活保護の受給を検討しましょう。

危険③ 犯罪

いわゆる「オレオレ詐欺」や架空請求に還付金詐欺。あるいは、不当に高額な商品を買わされたり、必要もない家屋の修理をさせられたりといった高齢者の悪徳商法被害のニュースが絶えません。

このような犯罪は、高齢者の孤独感につけ込むような手口が多いので、特におひとりさまは気をつける必要があります。

被害者の多くには、「だまされない自信があった」「自分には関係がないと思っていた」といった思い込みがあります。自分は例外だと決して思わずに、常に危機意識を持ちましょう。そして、「変だな」と思ったらすぐに警察や消費者センターなどに連絡しましょう。

認知症になるのは「特別」なことではない

危険④ 認知症

厚生労働省は、2025年には認知症を患う人の数が700万人を超えるとの推計値を発表しています。これは、65歳以上の5人に1人が認知症になるという計算です。さらに、85歳以上では55%以上の人が認知症になるとも言われています。

このように、認知症は誰でも可能性があり、避けるのは難しいものです。ただし、近年、認知症治療に効果が期待できる新薬が認められつつあり、早期発見できれば進行を遅らせることができるようです。

認知症の初期症状に最初に気づくのは本人だと言われています。病院を受診しづらい場合は、お近くの地域包括支援センターに相談しましょう。