想像よりも複雑な死後の手続きをお任せする
契約3点セット③ 死後事務委任契約
死後の手続きといえば遺言書を想像するかもしれませんが、遺言書で効力があるのは遺産分割の方法や指定などにとどまります。たとえ葬儀や死後の手続きなどに関する事項を記していても、それには法的な拘束力はありません。
そのため、遺体の引き取りや葬儀に関すること、役所での手続き、医療費の精算、公共サービスや賃貸物件の解約手続き、遺品の整理などは、遺言書だけでは対応できません。
仮に任意後見契約や財産管理委任契約を結んでいたとしても、これらの契約は当人が死亡した時点で効力は失われます。また葬儀会社の仕事は葬儀の執行だけで、納骨や身の回りの整理などはしてくれません。
そこで、相続人がいない高齢者のおひとりさまは「死後事務委任契約」の締結を検討してみるといいでしょう。これは、信頼できる人に、自分が死んだ後の諸々の事務手続きを頼んでおく契約です。
周りの人や遠い親戚に迷惑をかけずにすむ
人が亡くなると、多くの手続きが発生します。死亡届を提出し、火葬許可証をもらい、実際に荼毘に付さなければいけません。それに伴い、葬儀や納骨、各所への連絡や精算など、やることは山積みです。
こうしたことを生前から信頼できる人に頼んでおけば、周りの人や遠縁の親族に迷惑をかけずにすみます。そして、死後の事務をお願いしたい人には自分が希望するお墓や葬儀の種類を伝えておくことも重要です。
カンタン手続きガイド
いつ? 誰が?
・判断能力があるうちに誰でも契約できる
いくら?
【専門家に頼む場合】公正証書を作成する手数料や、葬儀・納骨の手続きの報酬を含めて50万円~。葬儀やお墓の費用は別途必要
どうやって?
①誰に頼むかを決めて、委任する内容を相談
②頼む人と頼まれる人の合意のもとで自由に契約できるが、近隣の公証役場で公正証書にすることが多い