深部体温の観点から「体の温めすぎ」はNGなのですが、クーラーの効いた部屋にずっと居つづけても、いざ眠るときにうまく深部体温が下がりきってくれません。

前述したとおり、深部体温とは、体の表面ではなく内側の温度のことです。

内臓が正常に働けるように、日中は高く保たれていますが、夜になると自然に下がってきます。人間の体は深部体温が下がると眠くなるようにできているので、就寝前や就寝中に体を温めすぎると、かえって寝つきにくくなってしまうわけです。

そこでまず注意したいのが、入浴のタイミングです。

入浴自体は、血行を促したり心身をリラックスさせたりと心身に良い作用があるのですが、就寝直前に入浴すると、深部体温が上がって寝つきにくくなってしまいます。

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入浴は「寝る1時間半~2時間前」に

スムーズに眠れるようにするには、入浴のタイミングを寝る1時間半~2時間前に調節しましょう。入浴によって上がった深部体温は、1時間半~2時間ほどたつと次第に下がり始めるので、そのタイミングでベッドに入ればスッと眠りやすくなります。

また、シャワーだけで済ませずきちんと湯船につかることで、自律神経を整え、副交感神経を働かせてリラックスさせる効果があります。副交感神経を優位にさせる効果のあるラベンダーの香りを入浴剤で取り入れるのもおすすめです。

人間の体は本来、眠りについてから4時間以内に、2回以上の深睡眠をとれるようにできています。しかし、深部体温のリズム、そして自律神経の切り替えがうまくいっていないと、深睡眠は充分にとれません。

「睡眠時間はしっかり確保したのに、なぜか眠気が取れない」、「ボーッとしていたら、会議の重要な決定事項を聞き漏らしてしまった」。こんなふうに昼間に感じている人は、次の3タイプのうち自分に当てはまるものを見て、原因を確認してみましょう。

「眠れない原因」はを3つのタイプごとに解説

タイプ① 寝つきが悪い、布団に入ってもなかなか眠れない

寝つきが悪い人は、深部体温のリズムが乱れている可能性があります。布団に入る時間になっても深部体温が充分に下がっていないと、スムーズに入眠できません。

まずは入浴で深部体温を整えること、そして、睡眠ホルモンといわれる「メラトニン」の分泌をうながすよう注意してみてください。