「社員は200人で十分」という妄想力

イーロンはポッドキャストで「社員は200人で十分だ」という発言をしたそうです。彼の発想力というか、妄想力の強さは尋常ではないな、と思いました。

もしかしたら、何十年後かには機械学習やAIの技術で、本当に200人くらいで運用できるようなサービスになっているかもしれません。そういった妄想はいいと思うのですが、現実はすぐそこに到達するわけではありません。

イーロンの描く時間軸と現実がうまく噛み合っていない。だからTwitterは、息絶え絶えに運営しているというのが現状なのです。

Twitterのサンフランシスコ本社(2014年)(写真=MatthewKeys/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons

社内の伝達系統が破壊され、大混乱

2023年に入っても、まだ破壊の延長線上にいました。

すべての支払いや契約が止められてしまっているなかで、会社としてこれまでどおり事業を継続していかなければいけない。

これは相当な混乱を招きました。それこそビルの賃料から、オフィスの掃除費用まで、全部がいったん「未払い」になったのです。

しかも「なぜそうなったのか」を説明するための伝達系統もありませんでした。2022年10月から12月にかけての破壊で、社内の伝達系統が破壊されてしまったからです。まずはそこから探らないといけない。

ある意味で、戦争中に通信が断たれて孤軍で戦っているような状態に置かれていました。「どうやったら本部と連絡を取れるんだ!」というような、ものすごいカオスに入っていた状態。それが2023年のスタートの光景です。

とはいえ、社内はカオスでも、それを対外的に見せるわけにはいきません。当然、表向きは「正常に事業が進んでいる」というかたちにするわけですが、そのための配慮にけっこう苦労しました。かなりストレスフルな状態でした。一つひとつ伝達系統を直しつつ、状況を把握して、それに対応する仕方を模索していくしかありませんでした。