「日本人だから大丈夫」はもう時代遅れ

事業のグローバル展開の中で、日本人社員のライバルは日本人だけではなくなります。ドライに言うと、日本人(とくに、これといったスキルのない文系新卒)は本当に優先的に必要でしょうか。「日本企業なので、日本人であれば、特別扱いされるから大丈夫」というこれまでの“常識”を、疑ってかかる必要があるかもしれません。

小笠原泰『日本人3.0 新しい時代のルールと必須知識』(ワニブックス【PLUS】新書)

いまのあなたは「変わりたくない、変えてはいけないと変化に抗う国家・政府」と「生き残るためには急速に変わらざるをえないことを理解し、価値を創出するための多様化組織への痛みを伴う変身を始める合理的な企業」の間で、「リスク・テイクの判断を迫られ、変わらなければいけないと思いつつ、頭と体が動かない・動かしたくない状態」ではないでしょうか。

もしそうなら、キョロキョロ周りを見まわすのはやめ、自分で判断して、行動を起こしたほうがよいのではないでしょうか。

意識を変えて「リスク」を取らなければ、個人は、生き残りをかける合理的な企業の変化についていけないと思ったほうがよいでしょう。

「使える人材」でないと取り残される

つまり、企業は従業員と会社との関係を、これまでの従業員は家族のようなものというウェットかつ長期的な関係から、ドライかつ短期的な関係に急速に変えていくと予測できます。厳しく聞こえるかもしれませんが、「一生懸命働きます」という人材ではなく、「こいつは使える」という人材でないと、企業の変化に取り残される恐れがあります。

知識社会が進む中で、国境を意識せず、自分の知識・スキルをベースに、ネットを介して仕事を受ける独立した就業者「ギグワーカー」を選ぶことも、主体的なリスク・テイクの例といえるかもしれません。もちろんこれは極端な例です。

このように、生き残りをかけて合理的に振る舞う企業を冷静に見据え、「それをどう活用するか」を考え、判断し、行動する。そんな意識を持つことが、「『最新』の日本人(日本人3.0)」に脱皮するには必須なのです。

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