外国人が意味不明な日本語の書かれた服を着ていることがある。数年前まで意味不明な日本語ロゴは世界中で大流行していた。イギリスのブランド「Superdry極度乾燥(しなさい)」は、時価総額1500億円以上の大企業となった。しかし、最近では下火になりつつある。なにがあったのか。NY在住ジャーナリストのシェリーめぐみ氏が解説する——。
※本稿は、JFNのラジオ番組「On The Planet」内のコーナー「NY Future Lab ミレニアル・Z世代研究所」の内容を再構成したものです。
Tシャツに書かれた言葉は「赤ちゃんを泣き」?
ある時、番組リスナーからこんなメッセージが舞い込んできた。
「アメリカの若者の間で漢字がクールと思われていて、漢字で書かれたTシャツを着ている人がたくさんいるが、日本人なら絶対着ないようなことが書かれていることもあるそうですね」
これに対しラボの面々は皆うんうんと頷きながら、
「結構多いと思う。漢字とかが入っているスウェットシャツ、何て書いているかは分かんないけど、漢字だからかっこいいと思う人が多い」(ミクア)
確かに「侍」「忍者」と言ったロゴ入りTシャツやスウェットシャツ、時には「馬鹿」や「変態」、「日本人彼女募集中」なんていうのもよく見かける。
意味が分からず着ている人もいるだろうが、少なくともこれらはちゃんと日本語として意味が成立しているし、意味を分かって着ていてわざと笑いを取っている場合もある。
しかし問題は、日本語として全く意味不明のロゴ入りの服も少なくないことだ。
「例えば、私がさっきECサイトで見た服に書いてあったのは『赤ちゃんを泣き』。変じゃない?」(メアリー)
確かに、Cry Babyというロゴの上に「赤ちゃんを泣き」とプリントされている。
もともとクライベイビーというのは、英語で泣き虫とか愚痴っぽくグズグズしている人のことだが、これでは日本語をそのまま直訳しただけで、もう文法も何もめちゃくちゃだ。
これはイギリスのMINGAというブランドのTシャツで、日本語が分からない外国人にはクールに感じるということの典型だろう。