専門家の自己保身に振り回される

もう、あきれ果ててしまった。どうして貴殿らは自説にこだわり、考えを改めないのだ。もちろん「常にマスクをするのではなく適宜着用を」などとトーンダウンした専門家がいることも承知しているが、これだって「マスクには絶大な効果がある」とかたくなに信じているか、前言撤回できないだけなのである。

つまるところ、二木氏の「高齢者を守れ」「コロナはまだ危険」「ワクチンは必要」「適宜マスクをしろ」という主張は、過去の発言との整合性を取るためでしかなく、自己保身のように映ってしまうのだ。

専門家の怪しいところは「夏休みになると帰省などで人が大量に移動するから感染が拡大する」などと発言したかと思えば、8月後半を迎えるころには「新学期が始まって学校に子どもたちが集まるようになると、感染が拡大する」なんてことを言い出す節操のなさである。とにかく年がら年中、「コロナ感染が拡大する」という話にこじつけようと頑張る。それこそ「日本全国酒飲み音頭」のごとく、だ。

1月は正月と成人式でコロナ流行るぞ
2月はバレンタインデーでコロナ流行るぞ
3月は卒業式でコロナ流行るぞ
4月は入学式でコロナ流行るぞ
5月はゴールデンウィークでコロナ流行るぞ
6月は梅雨で換気しないからコロナ流行るぞ
7月は花火大会でコロナ流行るぞ
8月はお盆でコロナ流行るぞ
9月は新学期とシルバーウィークでコロナ流行るぞ
10月は祭でコロナ流行るぞ
11月は気温低下と空気の乾燥でコロナ流行るぞ
12月はクリスマスと忘年会と帰省でコロナ流行るぞ

写真=iStock.com/Alex1975K
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「休日になると人流が増加して感染リスク拡大」は眉唾

そもそも、夏休みや連休は人が移動するから感染が拡大する、という説も眉唾ものだ。2015年、国土交通省が発表した「都市における人の動きとその変化」という調査結果を見ると、実際は真逆なのである。調査対象日に外出した人の割合を示す「外出率」は、平日は80.9%で、休日は59.9%だった。要するに人々は、休日はあまり出歩かず、家でくつろいでいるのだ。

加えて、1人が1日に移動する回数は、平日が2.17回、休日は1.68回だった。明らかに休日のほうが、人々は移動しない。休日になると人が出歩く、というのはあくまでもイメージなのである。テレビのニュースで高速道路の大渋滞やらテーマパークの大混雑、隅田川花火大会や京都の祇園祭などに多くの人々が集まっている様子が伝えられるので、「なんか、人が大勢いるからヤバそう」という雰囲気を抱いているだけなのだ。それを言ったら、平日の首都圏や関西圏の満員電車であるとか、ホームの押し合いへし合いは一体どうなるのだ。こちらのほうががよほど混んでいる。