人はまったく見慣れないものには好感を持ちづらい
資料を目的に合わせて新しく分類し組み合わせる。このとき、目的になるキーワードは具体的であるほどよいでしょう。予想可能な企画案を新鮮な単語で改めてオーガナイズしてみましょう。あなたが普段なにげなく感じていることではなく、違和感があったり不思議に思ったりする新たなファクターの使用頻度を高めて、企画をつくってみるのです。
見慣れたものは悪く、新鮮なものがいいと信じている人たちも大勢いるものです。実際には、見慣れない新しいものがすぐに好感を得るのは難しく、会議の外に出ることすらできないアイディアもあります。慣れたものを「パターンで」新しいものと組み合わせると、新しいだけのものを提示するときよりずっといい結果につながることもまた多々あります。
度重なる会議の終わりに、みんなが探していたものが、そもそも新しくすらなかったことに気づくケースも同様によくあります。
知っているはずのものを組み合わせ方で新しく見せる
単純に流行っているからよく目につくだけのアイディアを、これはいいと評価する確率も高いですが、同じ理由で、新しいという感覚も慣れをベースにして若干アレンジするだけでも十分なときがあります。見慣れない新しいものには抵抗を感じ、すっかり見慣れたものは旧態依然だとしりぞける。その中間あたりから始めて、アイディアを採択する人のクリエイティビティ次第でもっと身近なものにするか、反対に遠ざけていくのか決めればいいのです。
ただし、慣れをべースにするとはいえ、予測可能なイメージを与えてはいけません。どこかで見たような気がするという言葉は、ありふれているという言葉と同じなのですから。
きらっとしたアイディアであればあるほど、ほかの人のものと似ている場合があります。私たちが日常で見聞きしていることにはさほど大差はないものですが、その組み合わせ次第で生まれた輝くアイディアがものすごく特別なものになるはずはありません。
誠実なリサーチは一見すると、とても慎重で保守的に見えますが、すでに存在しているものを把握しない限り、この世にまだないものがなんなのかはきちんとわからないものです。