直感的にアイデアを生み出せる人は何をしているか。わかさ生活 執行役員専務の松浪宏二さんは「天才的なビジネスパーソンの言動の背景には、その何十倍、何百倍もの思考が常に動いていて、それが感性を養うことにつながっている。彼らは知的好奇心を満たすために、ニュース番組は毎日録画で倍速で見たり、新幹線の移動中にYouTubeを観たりと常にインプットし、アイデアが浮かんだらLINEにメモしている。これらすべては、日常の中の一コマにしか過ぎず『寝る間を惜しんで勉強をしている』なんて気持ちは一ミリもない」という――。

※本稿は、松浪宏二『超一流の凡人力』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

光り輝く頭部のビジネスパーソン
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常に本質が見えているから、感性で即断即決できる

天才は、基本的に「即断即決」で物事を決めていきます。

それができるのは感性で動いているからだと私は分析しています。

ビジネスシーンでは、何かアクションを起こす際に周囲の納得が得られるように論理的に語ることを評価される傾向にあります。

会議の場で「理由はないけど、絶対にこっちの案がいいと思います」と言われるより「過去5年のデータを解析したところ、このような結果になったためです」と言われたほうが、判断がしやすいので無理もないでしょう。

しかし、天才は「自分がいいと思うかどうか」で動きます。だからこそ即断即決ができるのです。感性とは、感覚的・直感的に物事を感じ取り、自分の内側から出てくるアイデアのこと。

しかし、これを「なんとなくの直感、思いつき」と捉えてしまうのは避けたいところです。

本書で“天才”と表現をしているのは、決して自由に思いつきで動いている人ではありません。しっかりと実績を残している人を指しています。そしてそんな天才たちは、根本的に自らの内側から「やりたいこと」が湧き出ているように見受けられます。

多くの人が「論理的に考えないと」と、周辺情報にとらわれている間も、元々の「やりたいこと」がはっきりしているので、常に本質が見えているのです。

そして、そこに至るまでには私たちの見えないところで、目にも留まらぬ速さで、思考を繰り返しているはずです。