ロシアへの攻撃を2年もためらったアメリカ

【小泉】ウクライナ戦争からは日本についてもまざまざといろいろなことを考えさせられます。今ロシアがやっていることが、東アジアで起きたらどうなるのか。

中国は驚異の勢いで核弾頭の数を増やしています。米ロに追い付くにはまだ10年、15年かかりますが、このままいけば私たちが現役世代でいる間に米ロに並ぶ核超大国・中国が誕生することになります。

もちろん中国がむやみに核を使って周囲に乱暴を働くと思ってはいません。しかし、「乱暴をしてはいけない」とメッセージを伝えられるだけの能力をわれわれは持っておかなければならない。

私たちはウクライナ戦争で、核抑止によってアメリカが介入せず、ロシア領内への反撃さえも2年以上、二の足を踏み続けてきた姿を目撃しています。そのアメリカを唯一の同盟国として防衛の多くをたのんでいる日本が学ぶべきことはたくさんあるのです。

(インタビュー・構成=ライター・梶原麻衣子)
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