働き方改革のためランチをやめたレストランに起きたこと

すると予想外のことが起こりました。ディナーの予約が入っている時間の前に、仕事帰りにサクッと食事をするお客さんで、一回転できるようになったのです。昼と異なりお酒も出るので、単価も上がりました。

勤務時間も大幅に短縮でき、スタッフの労働意欲も上がり、売り上げも伸びて良いことずくめだったとうれしそうにオーナーは話していました。

これはレストランの話ですが、オフィスビジネスの場でも、目の前の売り上げよりも大きなところを優先させることで、思いがけない成長につながることがあります。会社としての判断もそうですが、一つの部署単位でも同じです。

経営者であればその会社の、マネージャーであればその部署の数字に責任を持つのは当然ですが、同時にメンバーの健康状態や労働意欲とのバランスを考えていくべきです。

勇気を持って、ときには仕事を減らす決断が必要です。

労働力は無限ではないので、許容量を超える仕事が発生し続けたら、どこかであふれて洪水が起きてしまいます。止めるなら、川上で止めるほうが被害は少なくて済みます。

効果的な「正しい丸投げ」を実施して、業績を上げるためにも削る部分は削り、断るものは断りましょう。

「断る」ポイントは2つです。

・「どんな仕事を依頼しないか」の判断も重要
・無理のある仕事は自分のところで断る勇気を持つ

「またお声がけください」は断るときの魔法の言葉

ときには仕事を受けないことも重要とですが、理解はしつつも、やはり気が引ける、うまく断れない、という方も多いかと思います。

「和を以て貴しとなす」

このような日本文化にどっぷりと浸かって働いてきたので、その気持ちはとてもよくわかります。

「任せ方」からは少しずれますが、「断り方」に関しても少し触れておきます。私自身も年間100近いプロジェクトのアサインをしているので、当然断られることもあります。

「忙しい」「自信がない」「自分に向いてない気がする」など理由はさまざまですが、依頼する側から見て、これはうまい断り方だなあと感じることも、逆に少し乱暴だなというものもあります。

数々の断り方を見る中で、これさえ言えばいい、という魔法の言葉を発見しました。

「またお声がけください」

最後にこの一言さえ付け加えれば、すべてが解決です。

この言葉は、「今回は条件が合わなかっただけ」「仕事は辞退するけど、あなたのことが嫌いではありません」「いい関係を築きたいと思っています」など、いろんなニュアンスが含まれたマジックワードなのです。

写真=iStock.com/kazuma seki
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