相手の時間を奪うくらいなら、早めに断るのが誠意

仕事を断ると「関係が悪くなるのでは」とか、「出世に響くのでは」と考えて躊躇ためらう人も多いですが、まったく悪いことではないです。

むしろ、忙しいのに無理して受けて体調を崩したり、モチベーションが湧かないのにイヤイヤ担当してもらったりするほうが、よっぽど困ってしまいます。社内に限って言えば、熟考した説得力ある辞退の理由も、長文の言い訳メールも不要です。それよりも、すぐに返信をすることが大切です。

断るにしても、すぐ断るとなんだか失礼な気がして少し時間を置いてから断る、という人もいます。すぐに返信しないほうがしっかり検討した感が出るという意見です。

デートの誘いやプロポーズの返事なら、そうかもしれません。

「結婚してくださ……」と言い終わる前に、被せるように「嫌です」と答えたら、相手もショックでしょう。その場で返事せず、相手を傷つけないような理由をしっかり考えて、時間をかけるのは正しい判断です。

しかしビジネスの場では、その配慮はいりません。それよりスピードです。依頼する側からすれば、次の人に当たれるので、早いほうがいいです。

あなたが断れば、別の人に当たるだけです。

ドライなようにも聞こえますが、それがビジネスというものです。

コワーキングスペースで働くビジネスウーマン
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

受けられない理由を明快に書くのが「断り方の技術」

先ほど、断り方にもうまい断り方があった、と書きました。

一度断られたけど次につながって、いい仕事が生まれたケースを振り返って分析してみると、共通点が見つかりました。

それは、受けられない理由を明快にしてあるものです。

「納期があと2週間あれば対応可能だったのですが……」
「予算がどうしてもはまらないので……」
「正直荷が重く、自信がないのでもう少し経験を積んでから……」

山本渉『任せるコツ 自分も相手もラクになる正しい“丸投げ”』(すばる舎)
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このように、受けることができない原因となる要素を具体的に伝えましょう。依頼する側は、次からそこを改善して打診するようになります。

これが次につながる「断り方」です。

最後にまとめると、このようになります。お断りのメールを送るときは、

①辞退する具体的理由を入れる
②素早く返事する
③そして最後に、魔法の言葉を入れるのをお忘れなく
「またお声がけください」

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