単調な説明になりそうなときは「争点」をつくる

【「争点」の型】
画像=『伝え方図鑑

その日の講義で一番伝えたいメッセージがはっきりしているのであれば、それを「争点」として全体の話を一貫する、というやり方もできそうです。たとえば、Cさんが新人たちに最も伝えたいことが「常に“チームの目的”と“自分の成長”を重ねること」だとすれば、その日のすべての講義の項目を、いちいちこの概念で語ればいいのです。

Cさんの経験談は「“チームの目的”と“自分の成長”が重なった仕事の事例」の話。

井手やすたか『伝え方図鑑』(SBクリエイティブ)

こんなときどうする? のシミュレーションでも、「“チームの目的”と“自分の成長”を重ねるには?」の演習をする、などなど。串刺しして話すことでおのずとそれが争点となり、新人たちの中にも大事なメッセージとして残るはずです。

という感じで、Cさんは新人たちへの研修をなんとか終えることができました。もちろん、新人たちや人事からの評判もよく、来年もやってほしい、と頼まれることにもなりました。でも、いちばん勉強になったのはCさん自身かもしれません。誰かに教えることは、自分の考えをアウトプットするということ。頭の中が整理できるなど、良いことが多いですよね。

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