「比較」を使うと違いや変化が伝わりやすい

【「比較」の型】
「比較」の型
画像=『伝え方図鑑

Cさんは、自分が思う「理想的な新人の姿」を彼らに伝えようと考えました。しかし、それをそのまま伝えても、尺度がないので曖昧に伝わってしまう可能性があります。なので、ここは【「比較」の型】の考え方により、様々なシーンにおいて「ふつうの新人」「できる新人」はどう違うか、という比較で語っていくことにしました。

仕事を指示されたとき:ふつうの新人は、指示された内容をしっかりこなす。できる新人は、指示された内容の背景や理由まで質問する。こんな感じで、「ふつうの新人とできる新人で差がつく10シーン」というタイトルでうまくまとめることができました。

「喩える」のが上手い人が知っているコツ

【「喩える」の型】
「喩える」の型
画像=『伝え方図鑑

Cさんは、抽象的で曖昧な自分の仕事論を、何かに喩えることでわかりやすく象徴的に伝えようと考えました。彼はまず、「何に喩えるか」を考え始めます。

仕事の話だから……働きアリ? いや、それだと意志がない感じに聞こえてしまう。何でも悩みを解決する探偵……仕事って謎解きする感じでもないしなあ……。人と人の間に入ってうまく動かす潤滑油? いやいや、就活生じゃあるまいし……。

というふうに次々と喩えるモノを考えていきますが、どれもイマイチです。この方法がうまくいかない理由は、喩えるモノのほうを先に考えているからです。大切なのは、「喩えることで何を伝えたいか」を先に考え、その後に最もふさわしいものに喩える、という順序。

今回Cさんが伝えたいことが、たとえば、「人を信じる・裏切らないこと」だとすると「誰かの“命綱”になる」という喩えができますし、「最後までそばで支え続けること」だとすると「伴走ランナー」、「いろんな意見をとにかく聞いて行動できる人」だとすると「考える耳」という表現もできます。

そして、伝えたいことと喩えるモノが見つかったら、あとは型通りの順番で伝えるだけです。