聞ける範囲で聞いて、アクションにつなげる
解説しますね。
クリニックへの営業の例で考えてみましょう。
①お客様の「現在地(今の状況)」
例えば、どんな患者さんが多いのかを知ることも「現在地」に相当します。
患者さんは、クリニックにとって、経営を左右する重要な顧客だからです。
近隣のご高齢の患者さんが多い、などが該当します。
②お客様の「ゴール(目指す姿)」
「目指す姿」や「目標」などをヒアリングします。
「今後、目指していらっしゃる目標、方向性を伺えればと思っていたのですが……」
など、患者数を増やすのであれば、いつまでにどのくらい増やされるのか、言える範囲でいいので教えてもらいます。
③お客様の「シナリオ(戦略)」
次は、「そうなるための具体策(シナリオ)」をヒアリングします。
(例)
「具体的には、どのようなシナリオをお考えなのでしょうか?」
「今は高齢者が多いので、若い患者さんの定期健診を増やしたいんだよね」
④お客様の「課題(不足していること)」
次は「ご不安な点」をヒアリングします。
(例)
「もし、あればですが、懸念されていることは、ございますか?」
「ウチが定期健診をしていることをPRする方法がわからないんだよね……」
まず、できる範囲でよいので、この4つをヒアリングしてみてください。
その上で、営業として、「何ができるのか」を考えるわけです。
簡単なところでは、「まずは情報を集めて、教えて差し上げよう」でもいいでしょう。
可能なら、「知り合いを紹介しましょうか」までできれば、かなり喜ばれるはず。
先の記事で紹介した、欠品が続き切られてしまったMRさんも、これができていれば、そう簡単には切られなかったはずです。
まずは、聞ける範囲でいいので、①〜④を聞いてみてください。
意外と、教えてくれることが多いものです。
お客様への理解レベルをアップさせる「3Cフレーム」
さらにレベルを上げていきましょう。
よりお客様のことを理解するフレームを紹介します。
「3Cフレーム」です。
3Cとは、3つの要素の頭文字を指します。
会社の事業環境を俯瞰して分析する有名なフレームなので、知っておいて損はないはずです。
・お客様の「会社(Company)」を知る(先ほどの4つの要素のこと)
・お客様の「お客様(Customer)」を知る
・お客様の「競合企業(Competitor)」を知る
この3つのことを知っておくだけでも、お客様への理解レベルがさらにアップします。
私が講師を務める営業研修でも紹介する基本のフレームです。