覚悟とは、極めて冷静に決まるもの

覚悟。本来は困難なことや危険なことを予想した上で、それに対応できるような心構えをすることを指す言葉です。

しかし一般的には「意を決する」「やるぞと心に決める」のような精神論で使用されることが多いように思います。

でも「こうすればできる」という拠り所のない決断は、私にとっては覚悟ではなく「無謀」。もしくは「行き当たりばったり」です。

私にとっての覚悟とは、戦略立てて考えれば、おのずと決まっていくもの。リスクとリターンを冷静に分析し、それでもやったほうが得だと判断すること。

燃えたぎる情熱、パッションとはむしろ逆で、極めて醒めた状態でするもの。

覚悟を決めて、えいやっと動き出すのではいけないのです。むしろ落ち着いて論理的に答えを導けば、おのずと覚悟は決まるというのが私の考えです。

気持ちを大切にするには、理性が必要

ここまで述べてきた通り、私の大元の目的は「こうありたい」という自分の感情に根源があります。安芸高田市を何とかしたい。やるからには自分のなりたい政治家像を実現したい……。

自分に芽生えた感情を軽んじず、願いを叶えていくためには何が必要でしょうか。

それは、逆説的ですが「感情に支配されないための理性」です。

簡単な例で説明します。たとえば私が、大のシュークリーム好きだとしましょう。だからといってシュークリームばかりを無制限に食べすぎてしまうと健康を害す可能性があります。「健康を維持しながら、シュークリームをおいしく食べたい」と思うのなら、どれくらいの頻度で、何個くらいまでなら食べていいのか、と頭で考えていく必要があります。

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大好きという気持ちを大切にするには、理性が必要です。感情に支配されてしまっては幸せになれません。

ただし言うのは簡単ですが、これを実行するのは思いの外、難しいものです。

往々にして、何でも自分の思い通りになるという状況はありません。時間や使えるお金、体力など、限られた条件下で、私たちは自分の欲望を満たす必要があります。しかし、感情に支配されてしまうと、冷静な優先順位がつけられなくなります。

またしても食べものの例ですが、バイキングに行くとき「絶対にデザートは食べたい」と思ったとします。胃袋には限りがあるのに、目の前の豪華な食事に魅了されるがまま、前菜、メインと食べまくっていては、デザートまで辿り着かなくなります。賢くバイキングを楽しみたいと思うなら、あらかじめ何を食べるかの優先順位をつけるはずです。

人生の選択でも同じことが必要です。「こうなりたい」という目標が定まったら、そこからは徹底的にロジカルに考え、何をやるか、やらないか、優先順位をつけていく。この優先順位が明確であればあるほど、目標を達成できる可能性は高まります。