「自分の理想像」を冷静に見つめる

幸せやありたい姿を定義し、それを目指して物事に優先順位をつけ選択していく。そのためには、自分のことを客観的に見つめ、ありたい姿と比較していく必要があります。自分のことをそこまで冷静に見つめるのは、なかなか難しいと考える人もいるでしょう。そういうとき私は、「自分の考える理想の自分」と「今の自分」が対話しているようなイメージで考えることがあります。

たとえば矢沢永吉さんには「俺はいいけどYAZAWAがなんて言うかな?」という名言がありますよね。これは矢沢さんが泊まるホテルについて、手違いで小さな部屋を取ってしまったスタッフが謝罪したことに対する発言のようですが、実際の文脈はさておき、「俺」と「YAZAWA」の人格を分けているところが興味深いです。おそらく矢沢さんにはロックミュージシャンとしての理想像が明確にあり、それを「YAZAWA」と表現されているのでしょう。

石丸伸二『覚悟の論理』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
石丸伸二『覚悟の論理』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

それと同じように……と言うのはおこがましいですが、自分の理想像を今の自分と切り離してみる。自分の名前をフルネームで呼ぶ機会はなかなかないですから、あえて「石丸伸二ならどうするかな?」といったように考えてみると、少し自分を客観視することができます。

自分を冷静に見つめ、ありたい方向に向かって合理的な選択をしていく。自分の感情を大切にし、幸せになる、そのためにまず必要なのが理性です。

銀行員を辞めて市長に立候補することも、議会を敵に回してもいいから居眠りを指摘することも、一見、思い切った決断のように見えるかもしれません。しかし、私の中では論理的に考え、結論を導いただけだったのです。

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