自己効力感が高いとストレスも感じにくくなる

目標に対して「自分は絶対に達成できる」と自信を持って行動すれば何かしらの経験を得られます。たとえば、TOEIC500点の人が「絶対に1年後に990点満点をとる。絶対にできる」と自己効力感が高い状態で勉強を続けたとします。

名郷根修『習慣は3週間だけ続けなさい』(SBクリエイティブ)

結果的に満点には届かなかったものの、900点までスコアがアップしたとします。悔しいけれども、400点もスコアをアップさせた経験から得られたポジティブな感情がラスに強く影響して、勉強をますます促すことになります。さらに自己効力感は高まります。良いスパイラルが生まれます。

また、当たり前ですが、自己効力感が高いと難題に直面しても前向きな姿勢を保てます。少し雲行きが怪しくなっても「自分はできる」と思い込めているのですから、ストレスも感じにくくなります。

これはラスの働きにおいて非常に意味があります。ストレスの負荷が脳にかかるとラスの注意の焦点が乱れるからです。注意の焦点が乱れないことで目標に向けた行動が継続しやすくなります。

人が新たに挑戦するときは「外発的動機(魅力的な目標)」がまず必要です。目標をいかに明確に立てるかは重要ですが、「ちょっと達成できそうもないな」と感じてしまうと、人は動けません。

目標の客観的な高さは関係ない

達成できる道筋が見えなければ行動しても無駄になると思ってしまったことはあなたも経験があるはずです。ですから、「達成できる」という感覚が必要になります。

あなたは「それならば最初から達成できそうな目標を設定すればいいのでは」と思うかもしれません。目標のハードルが低ければ、達成できる確率は高まります。ただ、これは自己効力感とは関係ありません。自己効力感を高めてラス機能を働かせるには、目標の客観的な高さは関係ないのです。

繰り返しになりますが、自分が「できると思うかどうか」です。たとえば、あなたが起業するとします。その際に「5年後に会社を株式上場させる」という目標よりも、「5年後に年商1億円にする」という目標の方が達成するのは簡単でしょう。

ただ、あなたが「私は絶対に5年後に上場させる」と強く思い、自分にはできるという信念さえあれば、困難な目標でもラス機能は強化されます。達成の難易度や現実的かどうかは自己効力感に関係ないことは覚えておいてください。

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