「実現できる気しかしない!」自己効力感が脳を働かせる
「自己効力感? 自己肯定感じゃないの?」
おそらくそのような思いを抱いたのではないでしょうか。「自己効力感」という言葉を初めて聞いたかもしれません。「自己効力感」はカナダの心理学者アルバート・バンデューラによって提唱された概念です。
これは「人が行動や成果を求められる状況において、自分は必要な行動をとって、結果を出せると考えられる力」のことです。簡単にいいますと、「自分ならばできる」と考えられる状態です。ですから、「自分は達成できる」「自分には能力がある」という確信があれば「自己効力感が高い」といえます。
一方で、「自分には無理だ」「自分には能力がない」と思ってしまえば、「自己効力感が低い」といえます。たとえば、あなたが新入社員の営業職で顧客にプレゼンして自社の商品を売り込む必要があるとします。会社に入りたてなので、まだプレゼンをまともにした経験はありませんが、会社にとっては重要な顧客なので失敗は許されません。
その際にあなたはどう思うでしょうか。「自分ならうまく説明できるし、セールスすることができる!」と思えれば自己効力感が高い人となります。
「やれる」自信がある人はビジネスでも強い
反対に「自分はうまく説明できる自信がない。セールスできずに失敗するかもしれない」と思ってしまうのは自己効力感の低い人です。「新人だったら、みんな自信がないのでは」と思われたかもしれませんが、自己効力感には周囲の意見や、客観的に実現可能かどうかは関係ありません。
目標を設定した時点で達成までの道のりが全く見えないどころか想像できなくても関係ありません。「自分ができる」と思っているかどうかが全てです。ですから、周りの人が「絶対にできない!」と止めても、自分が「絶対にできる!」と思えれば自己効力感は高いといえます。
反対に、難題に挑む際に自己効力感が高くない状態では、周りに止められることで不安になってやめてしまうでしょう。まとめますと、自己効力感は現状の外側に置いたゴール、つまり、やったことがないこと、想像すらできないこと、今の自分には明らかに難しいことに対して、自分はできる! 絶対にできる! やるぞ! と心から思える気持ちのことです。
一語にしてしまうと、「根拠のない自信」ともいえるでしょう。よくビジネスで成功するのは「賢い人」よりも「行動する人」だといわれます。確かに行動しなければ何も生まれませんが、賢い人は根拠やリスクを考えてしまいがちです。そして、後先考えずにすぐに行動できる人はどういう人かというと「やれる」自信がある自己効力感が高い人なのです。