※本稿は、名郷根修『習慣は3週間だけ続けなさい』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
「外発的動機」が脳を働かせる
脳には「ラス機能」と言って、いわば脳の「GPS機能」のようなものが存在します。車や地図アプリの「GPS機能」と同じで、この「ラス機能=GPS機能」を働かせると、あなたはその行動に突き動かされ、習慣化ができるようになります。
それなら、脳の「GPS機能」はどう動かせばいいの? というのがあなたの疑問でしょう。
これには少しばかり工夫がいります。というのも、本来、脳の「GPS機能」は楽しい、嬉しいなどの感情を伴う行動に反応します。
ただ、残念ながら習慣化に向けた行動は取り組み始めた当初はどちらかというとしんどかったり、つらかったりが大半のはずです。語学も筋トレも嬉々として取り組めれば多くの人は習慣化に苦労しません。取り組みそのものは、あまり面白くないはずです。
ですから、「GPS機能」をうまく働かせるには仕掛けが必要になります。脳をだまさなければいけません。まず、あなたは習慣化を身につけるに際して何かしらの理想があるはずです。「あの人みたいになりたい」という漠然とした将来像です。これを「外発的動機」と呼びますが、まず、この動機を持つことが誰でも無理なく「GPS機能」を自然に働かせる第一歩となります。
「ボーナスのために頑張る」「モテたいから頑張る」
外発的動機は「あの人みたいになりたい」「将来はこうしたい」という憧れのようなイメージ像です。これをもう少し正確に定義しますと、「行為そのものではなく、外部からもたらされるものを目標として、その目標を実現するために行為を行おうとすること」となります。
わかりやすいのがビジネスの現場です。ビジネスにおける外発的動機づけは、上司が部下に何らかの仕事を行ってほしいとき、もしくは、少し背伸びをした仕事を与え成長してほしいときに、提示するケースが多く見受けられます。
「ノルマを達成したら、ボーナスが10万円多く出ます」
「今期の営業成績が前期以上だったら昇進できます」
と言われたら頑張る人も多いはずです。これは「報酬」という外発的動機です。行為そのものではない動機によって行動が促されています。
このように報酬や義務や賞罰、強制などによってもたらされる動機づけが外発的動機に当てはまります。外発的動機は何らかの目的を達成するために用いられることが大半です。
仕事以外でも、
「憧れの大学に行きたいから受験勉強を頑張る」
「モテたいからダイエットを頑張る」
これらも外発的動機づけになります。お金がもらえる、偉くなれる、有名になれる、モテるなどが身近ではわかりやすい例でしょう。