地方スーパーはすでに「コストコ」の商品をせっせと売っている

こうした「コンテンツ」と「プラットフォーム」の組み合わせによる新たな商業モデルは、今後さらに広がっていくことが予想される。実際、日本でも同様の動きが見られる。

例えば、地方のスーパーマーケットを中心に、「コストコ」の商品を店舗で再販する動きが広まっているという(https://news.yahoo.co.jp/articles/0ffbbffedadbd27065fa708c8d3e3dab8feb8d79)。

「コストコ」は、食料品から日用品まで、さまざまな商品をプライベート・ブランドとして販売しており、その商品開発には余念がないことで知られている。まさに「コンテンツ」力で一定の強みを持っているといえる。

一方、立地の面で言えば、倉庫型店舗で大規模に売る手法なこともあり、国内店舗数は決して多くない(33店舗)。「プラットフォーム」としては弱みがあるといえそうだ。そこで、地方のスーパーマーケットという、地元住民にとって利便性が高い場所にあることの多い、まさに「プラットフォーム」として優れているところに進出するわけである。

逆に、最近しばしば「GMS衰退」などと言われるように、スーパーマーケットという業態が扱うコンテンツ自体の魅力の低下が叫ばれている側面もある。そこに魅力的なコンテンツを入れるというわけだ。

これはまさに、コストコの「コンテンツ」と、スーパーマーケットという「プラットフォーム」をうまく組み合わせた例だと言える。

商業空間を「コンテンツ」と「プラットフォーム」に分けて見ると、意外にもそうした動きが多く起こっていることがわかる。

もともと、「コンテンツ」や「プラットフォーム」はIT関連の企業における言葉の使い方ではあるが、それを、現実の空間に落とし込んで見えてくる、商業空間の姿もありそうだ。

クリスピー・クリーム・ドーナツ(写真=Kici/PD-self/Wikimedia Commons
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