公共インフラ化する「チョコザップ」

最後に、③コンビニなどの「半ば公共インフラ化している場所」、について。

私が聞いたある話では、トイレを使うためだけにチョコザップに入る、という事例もあった。近くにチョコザップがあれば、確かにトイレはきれいだろうし、何より確実にトイレがある。コンビニでも、トイレを貸さない場所が増えている現在、チョコザップがかつてのコンビニ的な役割を担っていくようになる側面もありそうだ。こうなってくると、もはや、チョコザップは、公共インフラ化していく、とさえいえる。コンビニ自体、半ば公共インフラ化した場所であるが、その対抗馬になりうる可能性があるということだ。

これは想像の話であるが、将来的には、チョコザップの中に無人コンビニなどの機能も導入できるかもしれない。施設の中に無人コンビニコーナーが設置され、トレーニングの合間に軽食や日用品を購入できるようになれば、利便性はさらに高まるだろう。また、「仮眠スペース」などの設備を充実させれば、街における休憩所的な役割も果たせるようになる。仕事の合間に汗を流し、シャワーを浴びて、少し休憩する。そんな使い方もできるようになるかもしれない。

画像=プレスリリースより
チョコザップ新サービス「セルフフォト」

拡大し、機能が変わってくるチョコザップはどこへ行くのか

チョコザップのビジネス上の的となる場所は、「ジム」から「時間を潰す場所」・「時間を潰す必要が生まれる場所」、そして「半ば公共インフラ化している場所」に変化している。

今回発表された新サービスは、チョコザップの可能性を大きく広げるものばかりだ。カラオケ、洗濯、キッズパークといった多様なサービスを導入することで、より多くの人々のニーズに応えられるようになるだろう。そして、そのとき、チョコザップの敵は明らかに変化している。

画像=プレスリリースより
チョコザップ新サービス「キッズパーク」

よく言われることだが、日本の都市は再開発によって滞留できる場所が徐々に減少している。そのため、休日の繁華街のカフェなどは大混雑しているが、そんな中でチョコザップのような「居場所」の重要性はますます高まっていくのかもしれない。スキマ時間を活用するための場所として、チョコザップはどこまで進化していくのか。今後の展開から目が離せない。

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