国際便事業の強化を掲げる全日本空輸も、数年前に中国語講座、中国文化講座を新たに開設した。上海市を本拠地とした中国人客室乗務員の採用などを進める中で、日本人スタッフとのより一層の意思疎通を図るべく、中国語力の強化を進めている。
さらに同社は、韓国語講座を4月から新たに開設する。先の羽田空港の国際化に伴って増便した韓国線への対応もあり、韓国語の必要性が高まっているのだという。
ほかにも、BRICsの一角を占めるロシアのロシア語とブラジルの公用語であるポルトガル語の必要度が増している、との声が企業関係者から聞かれた。
「最後の未開拓市場」として伸長著しいアフリカで多く話されているフランス語にも注目が集まっている。中・東欧で使われているドイツ語、メキシコや南米でも広く使われるスペイン語も、一定の需要がある。
必須の英語、ますます存在感を強める中国語――。そんな構図と言えそうだが、他の言語であっても、専門性は高く評価され、現地での交渉や海外営業で活躍できる。経済のグローバル化が進む中では、日本語以外の「語学」そのものが強力な武器になってきているといえそうだ。
※すべて雑誌掲載当時