「赴任すると住宅費だ、海外手当だと、年収2000万円くらい。それが日本に帰ってくると1000万円を少し超えるくらいにダウン。やはり海外赴任の待遇はいいですね」(メガバンク社員)
ビジネスマンの英語習得に関して、前出の白藤氏は部長職の英語力の伸びが早いと指摘する。
「部長職は経営層にプレゼンをすることが多いため思考の訓練ができていて思考枠が出来上がっている。だから英語も勉強し始めると上達が早い。この思考枠が外国語の習得には大切です。外国のビジネスマンは、中学・高校のときから思考の訓練を受けて、帰納法や演繹法といった思考体系が身についています。
一方、日本では思考枠のない人が大半。ですから外国人と話してもしっくりこない。異なる思考体系で話しているから当然です。50代も多い部長職の英語上達が早いのは、思考枠の有無に秘密があるのです」
また白藤氏は一般社員の上達法についても話す。
「社員のモチベーションがお小遣い程度の報奨金で維持できるのはせいぜい600点程度。それ以上の社員には報奨金ではなく、昇進など人事制度で報いるのが本筋というものでしょう」
大和ハウスの佐伯氏も、その点は認識している。
「私たちも報奨金で社員を釣る気はありません。勉強した人が結果的に経済的補助を受けることが大切。モチベーションの源泉は仕事の中身です。正当な努力に報いること、グローバル化に向けての方向づけ、そして英語の習得を社として奨励する姿勢を社員にわかってもらうことに意味があるんです」
ビジネスマンが英語と本気で向き合う時代がやってきた。さて、あなたは――。
※すべて雑誌掲載当時