ガソリン車だけに課税するのは不公平ではないか
1.暫定税率の廃止
暫定税率は現在「当分の間税率」と名称を変えていますが、「当分の間」とはいつまでなのでしょうか? あいまいな政治的表現はやめ、そろそろ決着をつける時ではないでしょうか。25.1円の上乗せを廃止し、本来の28.7円に戻すべきです。
ガソリン税の税収は約2兆円。暫定税率を廃止すれば約1兆円の税収減となります。このためにたびたび起こってきた暫定税率の廃止の議論はうやむやとなってきました。
しかし、脱炭素時代を目前に、ガソリンだけに課税するのは無理があります。電気自動車は現在、ガソリン税を負担せずに走行しています。
これは税の公平性をクリアしているのでしょうか? 疑問が残ります。
とはいえ、税制度の変更は数カ月程度の議論で決着できるものではありません。民主党政権下のように数カ月で税制を変更しようとすれば、現場の混乱を招き、消費者はかえって不利益を被ることになります。
数年かけてでも、走行する車に平等に税負担を求める税制を作っていく必要があります。
今こそ、消費者は怒りの声を上げるべき
2.消費税のタックス・オン・タックスの解消
ガソリン税が入った商品価格に消費税10%がかけられているため、消費者は53.8円×10%=5.3円/リットルの税金を余計に払っています。税金に税金がかけられるため、これを「タックス・オン・タックス」問題として、石油業界は政府にこの問題の解消を訴えています。
同様の事象が、お酒、タバコでも起きていますが、いずれの商品についても政府は「問題ない(税の二重取りではない)」との見解を出しています。
果たして、問題ないでしょうか?
ガソリンに関して政府は、「メーカーとしてガソリン税は負担すべきコストであり、これに消費税をかけても税の二重課税とはならない」とわかったようなわからないようなあいまいな見解です。
メーカーが負担すべきコストだとしても、最終的には消費者が高いガソリンを買わされていることには変わりありません。消費者は怒りの声を上げてもよい時期ではないでしょうか?
消費税の財源も相当額になるため、暫定税率同様に、今日言って明日変えられる問題ではありません。あいまいな見解でごまかすのではなく、テーブルに議論を上げ、数年単位で議論し解消していくべき問題点と考えます。