「介護される側」になったときの予行演習

契約締結後にケアマネジャーとのやり取りが始まります。ケアマネジャーは介護保険に関してはプロでも、利用者のことは何も知りません。本人がどのような暮らしを望んでいるのか、そのためにどのようなサービスをどのくらい使うのが適切なのか、今の状態を維持するにはどうすればよいかなど、ケアマネジャーと相談しながらケアプランを作っていきます。親自身が伝えられれば良いのですが、子のサポートが必要な場面かもしれません。

6.サービス担当者会議

ケアプラン実行に関わる関係者が一堂に集まる機会です。司会進行役はケアマネジャーですが、主役は利用者本人なので、本人の希望を伝えることが大事です。ここで意見を集約してケアプランを完成させます。離れて暮らす親の介護認定に奔走していた人が、担当者会議に出席したとき、「親のためのケアチームが作動し始めたと実感し、心から安堵あんどした」と振り返っています。

7.サービスの利用開始

利用開始後はケアマネジャーが利用者と事業者との間で潤滑油のような役割を果たします。実際にサービスを利用してみて、うまく暮らしが回っているかどうかなどのモニタリングのため、1カ月に1度は訪ねてきますので、困っていることやこうしてほしいといった希望を伝え、必要があればサービス内容を変更してもらいます。

親の介護に関わるということは、将来、自分自身が介護される側に回ったときの予行演習にもなります。生きていれば「老い」はだれにでも訪れるものですが、自分事としてはだれもが初めての体験です。だからこそ不安や恐怖も感じますが、親は自分の介護を通して、子どもに学ぶ時間を与えてくれているのかもしれません。

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