2025年には700万人に達するといわれる認知症患者。家族はどんな準備をしておけばいいのか。今回、7つのテーマに分けて専門家に聞いた。第6回は「保険適用の実際」について――。(全7回)
▼保険適用の実際
体は健康でも生活がつらい。「介護保険」の対象になるか

区役所などの窓口で申請を

認知症は介護保険の対象になります。『令和元年版高齢社会白書』によれば、認知症は65歳以上の人が要介護者となった原因の18.7%を占めています。

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介護保険の支給を受けるには、区役所などで「要介護認定」の申請をし、医療機関を受診したうえで、「要介護」または「要支援」と認定してもらう必要があります。65歳以上の場合、介護が必要と認定されれば、原因を問わず介護保険サービスが利用できます。

今は医療費の高騰もあって、病院で長期入院を認めない方向になっています。その分、退院した人の受け皿が必要になっており、介護保険がその役割を担っています。

「要介護」に認定された場合、「居宅介護支援事業所」などでケアプランが作成され、症状の悪化防止のためのリハビリや生活補助などのサービスが受けられるようになります。1カ月に利用できる介護保険サービスの上限は要介護度の段階によって変わり、上限をオーバーした分は自己負担になります。