より軽度な「要支援」の場合

より軽度な「要支援」の場合は、市区町村の「地域包括支援センター」などで「介護予防ケアプラン」が作成されます。ただ、私たち現場の感覚としては、要支援は介護保険の対象からは外される方向で扱われているように思います。サービスも、できるだけ体を動かし、動ける状態を維持していくことに重きが置かれ、ボランティアを活用することも多くなります。

要介護認定の際には主治医の診断書が必要ですが、専門医でなくても構わないので、本人が受診を嫌がる場合は、「健康診断に行こう」などと言い方を工夫し、かかりつけの病院に症状を伝え、診断書を書いてもらうといいでしょう。受診の際には親だけに任せず、子供も付き添って、医師の質問に正確に答えるよう配慮しましょう。要介護認定が出るとケアマネジャーがつけられ、いろいろと相談できるようになります。

親が高齢になったら、認知症が疑われるようになる前に、遺言書や任意後見契約などを手配し、親子で話し合って「エンディングノート」を作成しておきましょう。

エンディングノートは、自分の死を想定して書くものとは限りません。「もし認知症になったらどんな生活をしたいか(ずっと自宅がいいのか、介護施設に入るのか)」「好みのライフスタイルは何か(お酒を飲みたいとか、旅行のようなアクティビティをしたいとか)」といった希望を、将来に備えて書き留めておくものです。

そして親の希望をかなえるためにどのような介護態勢をとるか、子供たち同士で役割分担を決めておきましょう。1人に任せず、兄弟姉妹で協力していくことです。

久しぶりに実家に戻って親の顔を見たとき、「ボケてなくてよかった」と胸をなで下ろすのではなく、「今のうちに対策を考えておかなければ」と、発想の転換が大切です。

▼エンディングノートを用意しましょう

(構成=久保田正志)
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