実は寝る姿勢のほうが目に悪い

眼圧は、座った姿勢より寝る姿勢のほうが高くなります。

頭が低くなるほど眼圧が上がりやすいので、睡眠中は頭を少し高くしておくと、眼圧に影響しない寝姿勢になります。

ただし、枕が高すぎると、首が前に曲がってしまい、呼吸が苦しくなったり、首や肩に負担がかかったりします。大きめの枕で、肩全体から上が少し高くなるようにすると効果的です。

また、高齢者で看護・介護用ベッドを使っている場合は、ほんの少し頭側を高くして寝るのもよいでしょう。

「睡眠の質」が重要

目の疲労回復には睡眠が効果的です。睡眠時間には個人差がありますが、一般に6〜8時間は必要とされています。しかしもっと重要なのは睡眠の質です。

質のよい睡眠とは、十分に疲労が回復する睡眠です。疲労回復には成長ホルモンが重要な役割を果たします。成長ホルモンは睡眠中、特に夜10時頃から夜中の3時頃までの間に最も多く分泌されるので、この時間帯に睡眠をとるとよいと言われています。

井上賢治『いちばん親切でくわしい緑内障の教科書』(世界文化社)

ですので、遅くとも夜の12時には寝る習慣をつけましょう。

寝る直前にはコーヒーやお茶などカフェインを含む飲み物は飲まないようにしましょう。アルコールも睡眠を浅くしてしまうので寝酒はおすすめしません。

入浴後、ストレッチや軽いマッサージをしてリラックスするほか、寝る少し前から部屋の照明を暗くしていき、室温を調節し、外の光が入らないようカーテンを閉めて睡眠環境を整えます。

また、ヒーリングミュージックを流したり、眠りを誘うアロマを焚いたりするのもおすすめです。

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