「次に何をやろう?」という疑問の余地を入れない

では、どうやれば「フロー」に入れるのでしょうか。

私は「TO DOリスト」の活用をお勧めします。

「次に何をやろうか?」「次に、すべきことは?」ということを、いちいち考えない。「これが終わったら、これ」という流れが、詳しい工程表のように決められている、あるいは無意識に体が全て記憶している……。こんなときは、目の前の仕事にのみ集中することができます。

実は、「次に何をやろう?」という疑問が、一番集中力を妨げるのです。脳の集中力が高まり、作業効率がアップしている状態で「次に何をやろう?」という考えが浮かぶと、集中の糸は切れてしまいます。集中力がリセットされてしまうのです。それでは、フローに入ることは困難でしょう。

「次に何をやろう?」ということをいちいち考えずに流れるように作業に没頭すればフローに入りやすいということですが、そのために活躍するのが「TO DOリスト」です。
「TO DOリスト」を使うことで、集中力を途切れさせないことが可能となります。

一般的にはフローに入るのは難しい、といわれていますが、「TO DOリスト」を上手に活用することで、意識的にフローに入り、圧倒的なパフォーマンスを楽しく実現することができるのです。

「夜寝る前」ではなく、「朝一番」に書く

【「TO DOリスト」超活用法④】
「TO DOリスト」は、朝に書く

あなたは、「TO DOリスト」をいつ書きますか? 私は朝、机に向かって、仕事を始めようというその瞬間に「TO DOリスト」を書きます。

私の友人たちに、「TO DOリストは、いつ書きますか?」と質問してみたところ、「朝書く」派と「夜書く」派に、真っ二つに分かれました。「夜書く」派の人は、「明日の仕事の流れを把握できて、安心して眠れる」と言うのですが、おそらく逆の人もいるでしょう。

私は『精神科医が教えるぐっすり眠れる12の法則 日本で一番わかりやすい睡眠マニュアル』(Kindle電子書籍)という本を出しています。この本だけではなく、他のほとんどの睡眠本にも「寝る前に明日のことを考えるのは、睡眠に悪影響」と書かれています。

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睡眠に対して、一番良くないのは、「不安」です。寝る前に不安や心配がよぎると、眠れない原因になります。明日のことを考えると「○○はどうしよう」と不安になりやすいので、考えないほうがいいというわけです。

「いや、明日のことを考えるとワクワクする」という人もいるでしょうが、ワクワクしているときには、ドーパミンという脳内物質が出ています。ドーパミンは、ワクワク、ドキドキの興奮系の幸福物質なので寝る前に分泌されると、睡眠を妨げます。遠足の前の日の晩、「明日の遠足が楽しみで眠れなくなった」というのは、まさにこうした原因によります。