「セクシー田中さん」改変の日テレ…今度は強引な手法はやめるべき
2月1日開催の環まちで、早尾恭一区議はこの計画と、そもそも超高層ビルを想定していない区の都市計画マスタープランとの整合性を問題視する質疑を展開。計画の賛否が割れている争点だ。同区議は、区側担当部署に対して「地域を分断しているのは、あなた方だ」との認識を示した。
一方、この計画に賛成する住民の理由はどんなものか。1月に募集した住民などからの意見書を区側がまとめた「意見書の要旨」から、賛成者の主な意見を抜粋すると次の通り。
「現行の高さ制限の範囲内では十分な広さの公園が確保できていない」
「広場をつくってもらうので高さが高くなるのは仕方がないと思う」
「地域住民の利便性が高まる」
「地域住民にとってマイナス面よりもプラス面が大きいと思う」
日テレ社長室広報部の担当者は、冒頭に紹介した地元マンション住民への個別の説明会について、担当者と期限内に連絡をとることが難しいと回答した。一方、計画の一般的な内容などについては、同社サイトの「よくあるご質問と回答」を参照してほしいとした。
それによると、地元でいくつかの機会を例に挙げて、意見を聞いてきており、具体案の説明をしてきたとし、「今後も引き続き具体案を説明し、ご意見をうかがってまいります」としている。そのなかには、冒頭に紹介したような、「近隣マンション理事会などでいくどとなく個別に説明」をしてきたとも。一方、大方教授の提案については「広場のうち半分以上が柱に囲まれたピロティ空間となる」とし、地域へのアンケート結果を重視して「可能な限り広場は緑豊かな青空広場」にしたいとしている。
この計画は2月8日の都計審で審議される。計画は推進派から逮捕者が出たことで新たな局面を迎えている。計画への賛否の問題以前に、計画の透明性に疑義が生じている。
区とタッグを組む形の日テレは、昨年10月期に同局でドラマ化された漫画「セクシー田中さん」の作者である漫画家・芦原妃名子が1月下旬に死亡したことをめぐり、「内容を改変した」ことに対して多くの非難の声があがっている。旧本社跡地の超高層ビル建築に関して、住民からのさまざまな要望や疑義、またトラブルが発生しており、区と同様にさらなる誠実な対応が求められている。