3つのテーマを理解している政治家はごくわずかしかいない
君がもし部活やサークルに所属していたら、基本的な構造は同じはず。
まず、全国大会を目指す強豪チームを作るのか、和気あいあいとみんなで楽しむ集まりにするのか、部活の方針を決める。それに伴い、必要であれば部費を徴収する。さらに、役割分担を決める。リーダーは誰か、レギュラーは、補欠は、掃除当番は誰にするか。そういう組織の成り立ちがそのまま、政治にも反映されています。
「方針」「予算」「人事」という大きな3つのテーマにたずさわり、それぞれを決める権利があるのは、市長や総理大臣といったトップの政治家に限られています。
市長という仕事はやりがいがあると言ったのは、そういう理由もあるんです。同時に、市長や総理大臣に限らず、政治家であれば必ず理解しておくべきポイントでもあります。「方針」「予算」「人事」の3つのうち、どれか一つでもブレると、街やそこに住む人の暮らしを変えることはできません。もちろん、国もです。
では、今の政治家は果たして、この3つを正しく理解できているのでしょうか?
残念ながら、理解している政治家はごくわずかです。市長に関しては、「自分にこの3つを動かす大きな力がある」と自覚している人自体がほとんどいません。大げさな物言いではなく、今の日本に、本当の意味での政治家はいないと言ってもいい。「政治家とは方針転換ができる人」だと述べましたが、まさに市長こそが、方針転換をするべき人で、その権利を持っている人です。
もし君が将来、市長を志すことがあれば、その力を存分に活かせるような市長になってください。