「やって意味あるの?」という上司の思い

上司は既存事業での経験から、事業として押さえておかなければいけない要素が気になります。「この商品はいくらで作れるのだ?」「そもそも作れるのか、我が社で?」「こんな売ったこともない商品、どこで売るのだ?」「そもそも顧客ってどこにいるのだ?」「我が社との取引が無い顧客にどうやってアプローチするのだ?」「競合はどこだ?」「そこに勝てるのか?」「シェアってどう見積もるのだ?」「何年で黒字化できる?」「その前に売上計画なんか立たないじゃないか」

また、上司は会社や経営者のことはよく分かっていますので、「事業として小さすぎないか?」「こんな事業どこが担当してくれるのだ?」「あの事業部長はつぶしにかかるだろうな」「そもそもこんなやったこともない事業、社長を説得できないじゃないか」と。

でも、そんな上司の思いは担当者につまびらかにされることはなく「やって意味あるの?」となってしまうのです。

その反応に、担当者は「イラッ」とします。キチンと説明して欲しいと。担当者には「上司なのだから」という期待感があります。自分たちより(新規創出について)知っていて当然、分かっていて当然と思っています。自分たちのことや提案のことについて、理解してくれて当然という期待があるのです。

このすれ違いは解消することができるのでしょうか?

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新規事業を考える前に担当者が考えるべきこと

新規事業創出に苦労している人は、「もう一度新規事業を提案し直しすることができるなら、まず何をしたいか」との問いに「経営陣との対話・パーパス(目的)の理解」「新規事業の定義の明確化」を挙げています。

すなわち、新規事業検討の最初に、それを求める経営者と「何を目的として検討するのか、自社にとって必要な新規事業とはどのような事業なのか」を明確にしておくべきだったと解答しているのです。

つまり、自分たちが「こういう事業が良いのではないか」というのは検討することができる。しかし、それが「会社が期待することなのかどうかが分からない」ということに困っているのです。故に、検討を始める前に、「新規事業における会社Will(期待・意志)の確認が必要だ」ということです。