ウォーターフロントにはアリーナが建設中
JR三ノ宮駅では、JR西日本が中心となり駅ビルの建て替え事業が進められており、地上32階、高さ約160mの新駅ビルは、2029年度の開業予定だ。
更に、神戸のウォーターフロント「新港突堤西地区」には、アリーナが建設中だ。新アリーナは地上5階建てでスポーツ、音楽ライブ、国際会議などに利用される。Bリーグ2部の「神戸ストークス(旧:西宮ストークス)」は、2025年春に完成予定の新アリーナを本拠地とする予定だ。
その他、大阪湾を半周するように結ぶ阪神高速道路「大阪湾岸道路西伸部」の建設工事や、神戸空港の発着回数の増枠、国際線の就航の検討も始まってはいる。
もっとも2024年春にリニューアルオープンする神戸ポートタワーを除けば、いずれの計画もまだまだ先の話だ。
「神戸ブランド復活」に向けて打つ手はまだまだある
神戸市では、人口減少に転じている。借入金と地価高騰を前提とした「株式会社神戸市役所」の挫折、震災の影響と産業構造の変化による地元大企業の流出や衰退、足かせとなるニュータウンの存在、大阪の吸引力の強さと周辺自治体との競争などがその原因だ。少子高齢化が続く日本では、この先も過疎化が続く一方、東京一極集中を頂点として、大阪市や福岡市や札幌市への一極集中など、地方都市のなかでも格差は広がってきている。
かような環境下、「神戸ブランド」の復活はあるのだろうか。久元神戸市長が進めるタワマンに頼らない三宮の大規模再開発、職住近隣政策は理想形ながら、共働き世帯前提の施策設計、子育て支援の大幅な拡充、大阪都心や神戸空港へのアクセス改善、インバウンド誘致、外資系ラグジュアリーホテルの誘致、プロスポーツ振興、地元でのスタートアップ育成など、まだまだ打つ手はありそうだ。新しい賑わいをもたらすことで生き残りを図れるのか、神戸市にはこの先も注目していきたい。