「これを許せば日本国は本当におかしくなってしまう」
このままNTT法の廃止という流れで進んでいけば、日本の通信業界は「NTTグループとそれ以外」という対立構造が起き、大きく分断することになるだろう。髙橋社長は「すぐにサービスの悪化につながるとは思わないが、5年先10年先、これからのすべてのものに通信が使われる時代に、必ず禍根を残すことになる」と危機感を募らせる。
いまのところ、自民党とNTTグループは独断でNTT法の廃止にこぎ着けようとしているが、やはり、ここはじっくりとNTTの島田明社長、KDDI・髙橋誠社長、ソフトバンク・宮川潤一社長、楽天モバイル・三木谷浩史会長が、NTT法の在り方について、オープンな場で議論をする必要があるのは間違いない。
宮川社長は「通信は技術革新が速い市場。何が起こるかわからない人たちが決めてはダメだ。われわれとしてはありとあらゆる形で保険をかけないと、日本国は本当におかしくなってしまう。そういう意味で、僕は国民を代表して言っている」と語る。
X(旧Twitter)上で、言いたいことをポストし合ったことで、国民の関心をちょっとだけ引くことはできたが、それだけでは、日本の通信の未来にとって何のプラスにもならない。
日本を代表する通信会社の幹部が膝を突き合わせて「日本の通信のあるべき姿」を議論していくところから、スタートすべきではないだろうか。