評価を気にして悩むのは、建設的ではない

人間というものが人とのかかわりの中で生きている以上、周囲の評価がまったく気にならないという人はいないでしょう。

誰だって、いい人、素敵な人、と思われるほうが、嫌なやつ、ダサいやつ、と見られるよりうれしいに決まっています。

評価が低いと感じたら、なんとかその上昇をはかりたいと思う気持ちもわかります。

しかし、人の評価というものも、なかなかに変えがたいのです。ですから、評価を気にして悩むのは、建設的とはいえません。

「どうも、みんなから嫌われているみたい」

そう感じている人が、評価を変えようと悩んで、好かれるために、周囲の人にり寄ったり、おもねったりしたとして、はたしてうまくいくでしょうか。

「なぁに、彼(彼女)、急にへいこらして。いかにも見え透いてて、なんか嫌な感じ」

こうなるのがオチでしょう。付け焼き刃は、たいがい見透かされます。

人からの評価は変わったらラッキーと思う

ただし、嫌われていることについて、自分に思いあたるところがあって、それを改めようという意志がある場合は、自分が変わることで評価が一変することはあるでしょう。

和田秀樹『「すぐ動く人」は悩まない!』(祥伝社)

たとえば、まわりに挨拶あいさつもロクにしない、態度が横柄おうへい、言葉に気配りが足りない、といった人が、そのことに気づいて、一念発起して、自分からちゃんと挨拶する、腰を低くする、人を傷つける言葉をつつしむ、という人に変わったら、周囲の視線は好感を持ったものに変わるかもしれません。

いずれにしても、前提は「人の評価はそう易々やすやすと変わるものではない」というところに置くべきです。そのうえで、評価を変えるためにできることがあったら、コツコツやっていけばいいのです。

そして、変わったらラッキーと思うこと。その心構えでいれば、いたずらに評価に惑わされることも、振りまわされることもないですよ、きっと……。

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